コラムColumn

「太陽光発電の導入コストと返済期間の見積もり」 導入に必要な初期費用と、その回収までの期間を詳しく解説。

2024.06.14 |

太陽光発電は、環境に優しい再生可能エネルギーとして注目されています。
ところが、国内での普及の割合を調べると、環境省の「令和4年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」では、
・戸建住宅:12.2%
・集合住宅:0.1%
・全体:6.6%
と、決して高いとは言えない数字が出ているのが現状です。

参照
家庭部門のCO2排出実態統計調査(家庭CO2統計)|地球環境・国際環境協力|環境省
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/kateiCO2tokei.html

原因を推測すると、一般的には高額であるイメージと、効果への不安があるものと考えています。
そこで今回は、主に住宅用太陽光発電の導入コストや回収などについて、わかりやすくお伝えすることにします。

太陽光発電の導入費用と導入メリット



自宅の屋根や庭などに設置することで、日々の電力を自給自足できるだけでなく、余った電力を販売することで利益を得るのが、太陽光発電システムです。
しかしながら、その費用相場やメリットが一般的にはわかりづらく、導入への第一歩が踏み出せない世帯も多いと推測しています。
本章では、具体的な設置費用の相場、導入後の費用対効果、そして導入の価値やメリットについて触れていきます。

太陽光発電の設置費用の相場

一戸建て住宅での導入を想定した場合、経済産業省のデータでは、1kWあたり平均28.8万円であり、その内訳としては、
・太陽光パネル:約14.7万円
・工事事費:約7.6万円
・パワコン:約4.7万円
・架台:約3.0万円
・その他:約0.3万円
・値引き:約1.5万円
となっています。

参照
経済産業省 第91回 調達価格等算定委員会 資料1 太陽光発電について p37
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/091_01_00.pdf

仮に住宅用として5kWの容量を導入するならば、単純計算で約150万円程度が、相場と考えて良さそうです。

太陽光発電の導入後の費用対効果

太陽光発電を導入した際の費用対効果は、非常に重要な評価指標となります。
前述した環境省の資料によると、太陽光発電システムからの売電による年間受領金額(使用世帯当たり)は、約9.9万円です。
自家消費とは別に、売電によって年間10万円近い収入が得られるとすると、費用対効果は悪くない印象を受けます。
5kWの容量の費用相場が、統計上、約150万円となっていますから、売電による回収期間は15年程度と見積もることができます。

太陽光発電を導入する価値・メリットはある?

導入費用の高さが取り上げられやすい太陽光発電ですが、住宅用でも産業用でも、中長期的な視点で考えると、電気代削減、CO2排出量の抑制、エネルギー自給率の向上などのメリットが得られます。
特に、電力を多く使う製造業などは、太陽光発電の導入による電気代削減効果は大きいと言えます。
また、企業の環境配慮やCSR活動の一環として、再生可能エネルギーの活用は企業価値向上においても得策です。
しかし、導入を決定する前には、設置場所の環境、設備の維持管理、補助金の活用など、さまざまな要素を慎重に検討する必要があります。

ランニングコスト・維持費用



太陽光発電は初期投資だけでなく、運用のためのランニングコスト、メンテナンスを含めた維持費用も考慮しなければなりません。
ところが、ランニングコストや維持費用については、あまり知られていないというのが現状です。
導入後は何もしなくても、電気代削減と売電で家計が楽になるという誤解を生まないためにも、本章で、ランニングコストと維持費用についてお伝えします。

太陽光発電を設置した後にかかってくる費用とは

太陽光発電の設置後には、
・FIT制度(固定価格買取制度)による定期点検義務の実行
・発電性能維持
・設備の維持管理
を目的とした費用が発生します。
具体的には、定期点検、故障・破損の対応、保険料、設備の寿命による交換や廃棄などが主な費用項目ですが、住宅用と産業用では工数や規模の違いがあります。
住宅用の場合は、前述の経済産業省の同資料によると、定期点検費用は5kWの場合で1回あたり平均4.7万円です。
頻度としては3年から5年ごとが推奨され、20年の運用を想定すると、トータルで20万円から30万円を見込むことになります。
その間に、故障や設備の寿命による交換があれば、その分の負担が増えます。

導入後にかかる予想外の費用とは?

太陽光発電の導入後、気になる声として多いのが予想外の費用負担です。
近年からの傾向であれば、天災(台風や地震)による故障、損壊などが考えられます。
住宅用ならば、住宅総合保険や住宅火災保険などで補償が可能です。
次に、銅線盗難リスクへの対応も避けられません。
太陽光発電では送電用に大量の銅線が使用されており、再利用価値も高いため盗難の対象となりやすく、防犯カメラによる監視が必要ならば、その費用負担も考えておきたいところです。

発電による節電効果と損益分岐(元を取るまで)



太陽光発電を導入する場合は、元を取るまでの期間が心配になる部分です。
一般的には10年から20年程度、前述の環境省の資料では約15年と幅がありますが、それだけ個々のケースでさまざまであると言えます。
ゆえに、詳細なシミュレーションで見通しを立てるしかありません。
できるだけ初期費用を抑えて、回収期間を短縮する努力が必要です。

太陽光発電で設置にかかった金額の元を取れる?

太陽光発電の設置にかかった初期投資が、いつになれば元を取れるか、いわゆる損益分岐点は、最も気になる部分と言えます。
まず、設置後の発電量や売電価格、ランニングコストなど、さまざまな要素が関わってきます。
発電量については、設置場所の日照時間、面積、太陽光パネルの性能などの影響が大きいです。
売電価格は固定価格買取制度(FIT)に基づくため、設置時期により異なり、ランニングコストについては、維持管理、故障時の修理費用などが相当します。
ただし、太陽光発電の導入の評価は、元をとる期間の速さだけで判断するものではなく、環境への配慮、自然エネルギーの活用、災害時の自家発電などの側面も価値を持っています。

元を取るまでにどれくらいの期間かかるのか

一般的に、5kWの容量であれば10年から20年、環境省では約15年、さらに令和4年の東京都環境局による4kWでの試算では、
・初期費用92万円が10年で回収可能
・30年間の支出と収入を比較すると最大152万円のメリット
との数字が出ています。
参照
太陽光パネル設置に関するQ&A|東京都環境局
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/council-joureikentoukai-files-kentoukai0801_04_1_qa

お得に設置するためのポイント

太陽光発電の初期費用を抑えると、回収期間を短くできますが、そのポイントは、
1.太陽光パネル
2.工事業者
3.補助金
の3点を挙げておきます。
一つ目の太陽光パネルですが、単体では高価格イコール高効率、低価格イコール低効率という、単純な方程式が成り立ちません。
住宅においては屋根が広く、南側の日当たり良好、年中を通して雨量が少ないといった導入に適した条件も必要ですが、5kWによるシミュレーションで、コストパフォーマンスに納得できれば合格点かと考えます。
二つ目は、工事業者の選択です。
複数の業者から見積もりをとり、地元の業者であれば弊社に相談して頂ければ、満足度を高められます。
三つ目は、補助金の活用です。
これは次章で少し詳しく解説します。

補助金と割引制度



国や自治体では、環境に関するさまざまな補助金制度を実施しています。
補助金の申請には一定の手続きや条件が必要ですが、実績と経験の豊富な業者に任せていれば安心です。
また、メーカーや販売業者が割引制度を設けているケースもあるため、うまく組み合わせることができれば、更なるコスト削減を実現できます。

自治体や国の補助金制度があり、活用することでお得に設置可能

2024年5月現在、国は太陽光発電に対する単体での補助金制度を、残念ながら実施していません。
ただし、ZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、以下ZEH表記)住宅を新築する場合は、環境共創イニシアチブが展開する「戸建ZEH補助事業」の活用が可能です。
・ZEH:55万円/戸
・ZEH+(プラス):100万円/戸+α
参照
戸建ZEH|ZEH補助金
https://zehweb.jp/house/
ZEH住宅における補助金受け取りの流れに関しては、次節でお伝えします。
なお、広島県においては東広島市など、一部の自治体は補助事業を行っています。

参照
令和6年度住宅用太陽光発電設備導入補助金について/東広島市ホームページ
https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/soshiki/seikatsukankyo/2/3/2/38863.html
また、メーカーや販売業者による割引のキャンペーン情報については、弊社までお問い合わせください。

補助金を受け取るまでの流れ

参考までに、前述した戸建ZEHの補助金申請から受け取りまでの流れを、簡単に説明しておきます。
申請方法は「ZEHポータル」で行い、申請側の流れとしては、大まかに、
1.アカウント登録
2.交付申請(添付書類作成含む)
3.(審査通過ならば)交付決定通知の受け取り
4.事業着手(着工)
5.中間報告(添付書類作成含む)
6.中間検査(必要に応じて行われる)
7.完了実績報告(添付書類作成含む)
8.確定検査(必要に応じて行われる)
9.補助金の受け取り
となります。
なお、補助金の支払いは住宅の引き渡し後です。

補助金を受け取るために必要なこと

補助金を受け取るための申請手続きは、専門的な知識と経験が必要であり、一般の個人が自分で行うのは非常に困難です。
繰り返しますが、太陽光発電単体での導入における補助金は、一切、国主導では行われていないことから、ますます事業者による初期費用を抑えるための知恵と情報の重要性は高まっています。
ゆえに導入や補助金活用については、弊社へ相談、依頼していただくことが最善だと考えております。

さいごに

太陽光発電の導入に必要な初期費用、その回収、補助金などについて解説しました。
途中、ZEH住宅という言葉を出しましたが、2030年以降の住宅新築については、ZEH水準の省エネ性能を確保するという政府側の目標が公表されています。
ゆえに、ZEH水準をクリアするため、太陽光発電の導入が進むと予想されます。
それまでに太陽光発電のしくみの理解、損益のシミュレーション、あるいはZEH住宅の新築など、かけこみ需要の前に有利な条件で一歩踏み出すことも、検討の余地ありです。

まとめ、会社案内

太陽光発電の導入は、初期費用の高さがネックですが、長期的なメリットを理解すれば十分に価値はあります。
弊社は、1998年に住宅用、2011年に産業用の太陽光発電の施工と販売をスタートしています。
以来、太陽光発電のプロとして、お客様のニーズに対応した設備の選定から高品質パネルによる最大限の発電効率を追求し、補助金申請のサポートも行っています。
満足度の高い太陽光発電をお望みならば、弊社まで、お問い合わせください。

太陽光発電についての詳細を知りたい方へ

初めての方でも太陽光発電についてご理解いただけるように、資料にまとめました。
こちらからダウンロードください

オプティマソーラーについて



太陽光発電ホワイトペーパーについて